Moiz's journal

プログラミングやFPGAなどの技術系の趣味に関するブログです

shuffle

 先日iPod Shuffleが発表されたときの同業他社の反応は、要約すれば「あんなものよりうちの機種の方がずっといい」というものだったようだ。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0501/14/news042.html
機能も少ないし液晶も無いし、音楽プレイヤーとしては実際にその評価は正しいのだろう。しかし市場の評価は違う。発売されてみれば即日完売の大人気
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20050115AT1D1500615012005.html
事前の予想に比べ伸び悩んでいるシリコンオーディオプレイヤー市場の中で、別格ともいうべき存在感だ。


 結局音楽プレイヤーとはいえ個人が身につける以上一種のアクセサリー。腕時計や眼鏡と同じで、性能よりもそれを身につけた自分がどう変わるかというのが重要なのだ。iPod Shuffleをつければcoolな自分に変われる(ような気がする)のに、iRiverRioを身につけても、残念ながら変わった先はアキバ系。coolさに金を惜しまない人はごまんといるが、機能に対しては最小限の出費しかしないという人の方が多いだろう。


 オリジナルのiPodに対する昔の日本メーカーの反応も同じようなものだった。東芝ソニーも、「あんなもの(iPod)よりうちのほうがずっといい」と思っていたはずだが、実際は両者とも予定より低いシェアで低迷し、iPodに遙かに及ばない。「われわれの目から見ればまだまだ手を入れるところはある」というソニー社長のコメントはまさにユーザーとのすれ違いを見事に露見している。
 身につけるアイテムとしての魅力では、残念ながらソニーのNW-HD1はiPodに大差で負けている。東芝の製品に至っては論外だ。もちろんAV機器としてはソニー東芝の方が勝っているのだろうが、それではユーザーは動かない。他メーカーは「手を入れるところ」がどこかという時点で、すでに間違えているのだ。