長いことUnixを触ってないので、FreeBSDを実機にインストールして触ってみたくなりました。 たんなる作業メモで、特別な知見はありません。
環境
手元に使わなくなったNUC6CAYがあったのでこれを使います。
スペック
項目 | 内容 |
---|---|
CPU | Intel Celeron J3455 |
メモリ | 8 GiB (拡張済み、もとは2 GiB) |
ストレージ 1 | 32 GiB eMMC (オンボード) |
ストレージ 2 | Kingston SATA SSD 120 GiB (あとから追加) |
もとはWindows 10が入っていたのですが、さすがにスペック的にきつくなり、使用頻度がさがったものです
モニターとして以前紹介したNexdock2を使用しました。
モニター・バッテリー・キーボード・USBハブ一体型のものです。
FreeBSDのインストール
インストールはFreeBSD公式サイトのガイド通りに行いました。 また、福山大学金子邦彦研究室のFreeBSDインストールガイドがとても親切で参考になりました 以下は作業ログです。
- Windows PCを使いFreeBSDの公式サイトでインストーライメージををダウンロード
- Win32 Disk Imagerを使い、USBメモリーにインストーラーを書き込む
- NUCのBIOSをUSBから起動できるように設定
- NUCにインストーラーの書き込まれたUSBメモリーを差し込み起動
- インストーラーの指示にしたがいインストール
インストール時の設定は、基本的にデフォルトで問題ありませんでした。変更したのは以下の部分です
- ホスト名がよくわからないので適当な名前(NUCとか)を入れた
- Optional System Componentでパッケージ類をすべて選択
- この後のダウンロードサイト選択肢にエラーを誘発発生する物があった(理由不明)。インストールをやりなおし、リストのトップのものに変更してインストール成功
- ディスクのフォーマットとしてZFSを選択し、ZFSのConfigure Option->Pool Type/DisksからStripeを選択し、インストール先SSDを指定
- WIFIアダプタを選択し1、DHCPを使用
- タイムゾーンとしてPDTを選択(起動後時間がずれていたので、コマンドラインから修正)
- Serviceの設定、mmoused、powerdを選択
- ユーザーを追加し、cshを設定(インストール後にbashに替えます)
これでリブートするとログインできるようになっていました
起動後の設定
以下、起動後に行った設定です
ユーザーをsudo可能グループにいれる
# sudo pw group mod wheel -m username
/usr/local/etc/sudoers
の以下の行をアンコメント
# %wheel ALL=(ALL:ALL) ALL
シェルをbashに変更
まずbashをインストール
# sudo pkg install bash
デフォルトシェルをbashに変更
# chsh -s /usr/local/bin/bash username
.profile
が.bashrc
を読み込むように以下の行を追加
if [ -n "$BASH_VERSION" ]; then if [ -f "$HOME/.bashrc" ]; then . "$HOME/.bashrc" if fi
再起動後bashが使えるようになります。この後.bashrc
を変更し自分の好みの環境に変更しました。
GUI環境
FreeBSDのインストーラーはGUI環境はインストールしないので、自分で設定します。 以下、作業ログです。
Xorgのインストール
公式サイト2の説明に従いX Window Systemをインストールします
# sudo pkg install xorg # pw groupmod video -m username
NUC6CAY独特の設定
# sudo pkg install drm-kmod # sudo sysrc kld_list+=i915kms
- 公式ガイドのTipに従い、そのほかのドライバーもインストールしました
# pkg install libva-intel-driver mesa-libs mesa-dri
# sudo pkg install xf86-input-synaptics
デスクトップの環境のインストール
今回は軽そうなXFCEを選びました
公式ガイドにしたがってインストールし再起動するとXFCEで立ち上がります。
ブラウザのインストール
次のコマンドでChromiumがインストールできます
# sudo pkg install chromium
これでchrome
でchromiumが起動しますが、日本語が文字化けします
日本語フォントの設定
こちらのブログを参考にフォントを設定しました
参考にしたブログにならいipaフォントを選択します
# sudo pkg install ja-font-ipa-00303_7
これで、Chromiumで日本語の表示ができるようになります。 タスクバーのアプリケーションタイトルは再起動後日本語表示ができるようになるようです
日本語入力ソフト
こちらのブログを参考にmozcをインストールします
# sudo pkg install ja-fcitx-mozc ja-mozc-server ja-mozc-tool # sudo pkg install zh-fcitx zh-fcitx-configtool
一度ログアウトしてログインしなおすと、fcitx-config-gtk
からmozcが選択できるようになっていました。
これで日本語入力もできます
その他の設定
CPUの周波数設定
初期状態ではCPUクロックが1.5GHz固定だったので、powerdを有効化します
こちらのブログを参考にしました
以下の行を/etc/rc.conf
に追加します
powerd_enable="YES" powerd_flags="-a hiadaptive"
再起動後、800MHzや1501MHz4といった、1.5GHz以外の周波数も使われるようになります。
SSHの使用
こちらのブログを参考にしました。
Ubuntu等と違い、OpenSSHサーバーはFreeBSDの標準インストーラーでデフォルトでインストールされるようです。
SSHDをスタートするには、/etc/rc.conf/
に以下の行を追加します
sshd_enable="YES"
再起動後は、自動でSSHDが起動し他のPCからSSH接続ができるようになります。(/etc/rc.d/sshd start
で即実行もできるようです)
リモートデスクトップサーバーのインストール
こちらのブログによるとxrdpを使うと簡単なようです5
私の環境はxfceなので、/usr/local/etc/xrdp/startwm.sh
ではexec startxfce4
の行をアンコメントしました
まとめ
これでどうにかFreeBSDをGUI環境で実行できるようになりました。 ここまでくると普段使っているLinuxと似た感じに使えます